WoUの締めくくりでもあるので、前期のWoUも込みで評価する(本来の予定では分割されなかっただろうし)。
まず、キリト不在についてである。これはそういうストーリーなので仕方がないことではあるが、このWoUの主人公とは誰なのかと問いたくなるような設定である。最終負荷実験の序盤から中盤にかけては、この影響で整合騎士がメインで描かれる。ベルクーリに好感を持てていたので良かったが、アリスとベルクーリ以外は...。一気見したので見れたが、何週もかけて見せられるのは厳しいところがあるのではないかと思う。
次に、リアルワールドからの参入について。アスナ、シノン、リーファがSTLでダイブするのは分かるのだが、クラインやリズらがコンバートして参入する件や敵側の援軍としてアメリカ等からVRMMOプレイヤーがやってくる件がいまいちよく分からない。ストーリー的にそこまでたくさんのキャラが必要だったのかもよく分からないし、無駄に感じてしまった。シノンやリーファが活躍するためなのかもしれないが、そもそも無理に彼女らを出す必要を感じない(彼女らが推しの人々からすればありがたいのかもしれないが、純粋な作品として見る立場では疑念を抱く)。
局面の変化についても言いたいことはたくさんある。先の内容に関連しがちだが、無理な設定でピンチとチャンスを演出し過ぎていると思う。ガブリエルの能力もいまいちよく分からない。皇帝ベクタは固有能力として納得するとしても、自信のコンバートしたアカウントの能力には疑問符が尽きない。
批判ばかりしたが、良い点もそれなりにある。まず、キリトの復活である。腕が復活したり羽が生えたことに関しては説明が欲しいが、ノリと勢いでどうにかなるので許すとして、キリトのことを最後に許すのがユージオであるという展開に震えた。アリシゼーションのヒロインはユージオで間違いないと確信した。エンハンス・アーマメントと二人で唱えるシーンは鳥肌を禁じえなかった。
次に、キリトのコピーの登場である。これに関しては原作未読なので期待しているだけかもしれないが、今後何らかの形でコピーされたキリトがオリジナルのキリトの前に立ちはだかる可能性を垣間見ることができたので好感触。比嘉同様、茅場とキリトの2人のコピーに夢を見たと言っていい。
とここまで書いたが、やはり納得いかない部分が多い。イチエモン、ニエモンの形状から見てアリスが仮想空間まんまの姿で現実を歩いているのに違和感しかないし、物語のラストで突然宇宙ものになったのもしっくりこないし、説明が著しく欠如している。
好感を持てる部分もあるが、WoU全体としては駄作というのが個人的な評価である。
アドミニストレータを倒すまでのアリシゼーションは高く評価しているので、そこを主軸にキリト復活までをコンパクトにまとめたほうが良かったのではないかと思う。