チッチことチヨちゃんとアサは二人電車で話した、お互い大丈夫と言いながら。2人とも悩みがある、似た者どうしな気もする。アサはチッチにコンコースで歌うから聞きに来て欲しいといった、なんとなくとは言ったが来て欲しいのは事実。チッチに自分の人生が終わったと思ったことはあるかと聞いたが、大きな声で終わってない、生きているからと言ったら彼女はすげぇといい涙ぐんだ。少しでも心に響いていたらいいのだが。そして二人は登校。チッチは久しぶりに学校に来たから少しざわついていた。東郷君と言う男の子が署名の話とかもしていたみたいでいい人だなと思った。
マキオは本を他人のために書いていない。というか人のためにそんなに人間は動いていないと言った。確かにアサを拾ったことはアサのためではないわけではないが、誰のために何をしたって人の心も行動も決して動かせるわけではない。実を結ばない。感謝も見返りもない。世界は変わらない。そう思っておくといいとアサに言った。でもそう分かっていてなおすることが尊いとも思うともマキオは言った。
難しいが言っていることはわかるかも。さすが小説家。
アサ、自分が大人になった時の夢でも見たのだろうか。失敗するかもと言うアサに自己暗示だよと言いつつ、それは心があまり動かないことになるかもしれない、いいことにも悪いことにも心が鈍麻してしまうかもしれない。アサにはそうなってほしくないとも思うが子供だから無垢じゃなければならないわけではないとも言っていたが。
アサはマキオに向かって私と話す時だけ難しくないと直球で言ってて笑った。マキオはそれはあなたに影響を受けてほしくないからと言った。わかんないから言い方を考えてきてというアサが生意気になってきたことをいいことと言うマキオ。なんてことない二人の時間をどれだけ忘れずにいられるだろうか、出されたご飯を食べるようにその時その時を訳も分からず味わっていたこの愛おしさを何時から感じていただろうか…アサの感覚も充分マキオに似てきたなぁ。
緊張してるアサ、マキオの言葉を思い出しながら目標を考える。マキオから聞いていた緊張に対しての対策。考えて考えて考えない。
両親から言われたアサになりたいものになりなさい、アサの好きにすればいいなどの言葉。誰もいない砂漠にチッチがいて自分の人生終わったと思ったと言った。アサは伯母さんや両親が亡くなった自分、音楽的に深みがない、私は全然パッとしない。でも、なりたい自分になりたいの…と。そしてアサの目標は落ち込んでる友達に聞いてもらって元気を出してもらいたい…と。
この頃のアサにはまだ絶対に許せないものも絶望の形も分からず、それでも私は愚かにも自分の小さな行動がきっと世界を変え得ると信じていた、そして彼女は小さくも世界を変えたのだ。
10年後でもいい、誰かこの中の一人でも…一瞬でも…世界を変えれたら…届け届け!
するすると大人になっていくアサ、マキオはそんなアサを見て姉さんは立派だと言った。
マキオはアサを犬に例えて今までの暮らしを回顧する。と思ったけどエッセイだったのか。最終的にその犬の名前はアシタと言う名前をだした。軽音部でアサを見ては言ってくれた人がいた、これは世界を少し変えたみたいなものだろう。よかったなぁ。アサはそのエッセイをよんでマキオにこれ私と聞いたら、読まないで欲しいときて笑った、そしてその後アサのTwitter出してきてブロックしていい?は草。
最後は両親の誕生日を祝って、マキオの横顔を撮って、また明日。
そして10年後…えみりとアサは喫茶店で話し合ってコンコースで歌ったことを懐かしく話していた。マキオと会いたいというえみりに電話をかけるアサ。じゃあ後でねと彼女たちはマキオの元へと向かった。
一人の小さな行動が世界を変えていった、アサはなりたい自分に少しは近づけたかもしれない。そして10年後彼女はなりたい自分となっているのだろうか、少なくともあれだけ10年前にモヤモヤしてきたのだきっと彼女なりの答えを見つけているのだろう。人間的な難しい話が多かった本作もきれいに終わった感じが会って安心した。名作!