デェェェェンといい、テンポといい、かなり独特な本作。王宮ものに潜む高尚さみたいなものを、ギャグやテンポ、作風、バラエティー番組的なリアクションで解体し、さらに、作中の「妃教育」から逃げるという一種のフェミニズム的な文脈を持ちながら王宮という居場所を変化させて、私らしさ、王宮という鳥篭をおおらかなものと変容する(ように視聴者の印象を変化させていく)のが良かった。最終的には「妃教育」、ましてや妃になるというイエ制度の鎖とも言えるものからは逃げられず、また、互いに愛しているふたりは結婚という旧来的な契約を自らの意思で結ぶ。その結末は急進的な私からすると正直残念なものだったかもしれない。初期のクラーク様の異常行動についても、色々と言いたいことはある。だとしても、この作品にあったおおらかさは私の目にはキラキラと輝いてみえていた。最終話ED入りは脱帽です。ED後の後日談がこの作品そのものであろう。