2人が出会う人々はいつも誰かと現れます。人か妖精かは問わずそれぞれの縁を伴ってそれぞれの関係を教えてくれているように感じます。親子、夫婦、師弟、兄妹、種を超えた関係、仕え見守る者同士。
1人で現れる人達もやはり誰かと繋がっていて、愛し愛され、許し許され生きていることを示しているようです。
シャノンとシャナハンの関係もあるべき場所に生きられない悲しさ空虚さを、そしてあるべき場所で生きる大切さを教えてくれていたように思います。
一度は命を手放しかけたチセを引き止めたのはエリアスとの出会いの時の言葉でした。淡く見えていた2人の縁の楔はあんなに早く打たれていたのかと、正直驚いてしまいました。飼い犬の首輪を引くようなそんなエリアスの言葉がチセの心に深く刻まれていたのですね。
「俯かなくていいよ 背筋を伸ばしてしっかり前を見るんだ」という言葉はエリアス自身が生きてきた姿勢そのものだったのかもしれません。
ティターニアへの宣言は彼の半生の惨めさや暗さを滲ませつつ、多くもなく濃くもなかったとしても温かく繋がった縁に支えられた毅然とした佇まいを思わせます。
灯りを守るシルキーも1人の寂しさを身に沁みて知っているだけに半ば怖さを抱いて家族の帰りを待ち望んでいたのでしょうね。そんな気持ちが痛いほどに伝わるだけに、みんなの帰還は胸締め付けられるほどの嬉しさでした。
毎回波乱があるようで静かに物語が進みますね。心穏やかに観られる実にいい作品です。少し心配していた2人の関係も今のところはやっぱり大丈夫みたいですね。とりあえずは安心して行く末を見守っていきたいです。