結果的にエリアスの元を去ったチセでしたが、「今のあなたのそばには居られない」の言葉の通りこれは決別を意味するものではないのでしょう。
ここまで2人を見つめ続けてきた僕たちにとっては序盤のマシューとミナの関係を思い出さずにはいられないエピソードだったと思います。
カルタフィルスに唆されたとはいえ残虐な行為を行ったマシューに対してチセは責めたり断罪するような事はありませんでした。当人たちが望んだように風と共に円環の外側へ吹き飛ばすのではなく戻すことを選んだのは、その未来を残したかったからなのだと思います。
もはやチセの中で生死の区別は薄く循環する命の輪の中を巡る存在でありたい、孤独に自己完結した母のようではなく、エゴに巻き込み淀みとなったマシューのようでもなく、重荷を受け入れても共に生きて行きたい、手を取り合って並んで歩いて行きたいと多くの出会いの中で望むようになったのだと思います。
チセにもきっとエリアスの気持ちはわかっているのでしょう。でも彼の選ぶ先には望む未来は無く、だから危険だとはわかっていても新しい道を模索しにヨセフの元へと敢えて飛び込んでいったのかな、と想像しています。
私はワガママだな、なんてまた自嘲してるのかもです。
これまでの多くの人との出会いの中でチセが、エリアスが何を思い成長してきたのかその時々を思いながら2人が納得できる道が見つかるといいなと願うばかりです。