繊細な映像で描かれる残酷非道な世界観に、アバンから不意に殴られたような衝撃を受けた...泣きそうになる。
それがかつてのこの国と地続きにあると思うと不気味さと恐ろしさの空気が溢れてくるようだった。
そして、平家のその己の残虐さを疑わない驕り方が実に憎々しい。
重盛の過去視と、びわに平家の滅亡を見る未来視を求めること。共に暗い闇を見ている視界がどうなるのか、特にびわの心情変化が興味深い
1話時点でも最初は平家への憎しみに対する願望かのように見えた平家滅亡の未来も、重盛と出会ってからは忌避するものとして描かれていたように映った。
そして、男の恰好をするびわは、未来視を求められるも応じたくないように、自分の価値を認められず認めたくないから故のように感じた。
首切り花のようなメタファーや、時にポップな劇伴は作品の雰囲気とはミスマッチに聞こえるものでとても際立つもので、印象深かった。