手段を選ばない、選べない。だから、シャディクもミオリネも、みんな同じ罪を背負った共犯者。そうやって、善も悪も全てがんじがらめになった中で、ただ憎しみだけが増幅して、命が失われていく。
そんな世界では、ベルメリアの言うように、もう何が正解なのか分からない。理想を叶えるための、誰も犠牲にしない結末に辿り着くための道がどこにあるのか見失い。せめてもうこれ以上の破滅を導かないために、立ち止まることしかできなくなってしまう。
それでもスレッタは進む。一つも二つもない、何も手に入らないかもしれないけれど、ただ今できることを成すために、再びガンダムに乗る。
その原動力はきっと、一人じゃないと知ったから。学園が蹂躙された跡の中で、スレッタは死んだ人ばかりじゃない、まだ生きている人がいると知った。全てバラバラになった世界でまだ、同じ様に理想を目指せる仲間がいると。
それはスレッタだけじゃなくて、マルタンとニカも同じだ。そうやって、空っぽになりかけていた心が満たされて、彼らと一緒ならとまた頑張れる、また進み出せるのだ。