ラスボスはプロトタイプジコチュー。Aパートラストでキュアハートがプシュケー(魂)を奪われるという大ピンチ。
Bパート開始後すぐにキュアハートはプシュケーを奪還し、皆の力を結集してパルテノンモード(最終形態)に。スーパーサイヤ人ばりにパワーアップして、肉弾戦でプロトタイプジコチューを圧倒、宇宙空間まで吹き飛ばして闘う。
岡田のセリフが何気に衝撃的。
「思いの力が人を強くする。誰かを守りたいという思いの力を持つ女の子は誰でもプリキュアになれる。そしてその力はこの宇宙を生み出したビッグバンにも匹敵するんだ!」
キュアハートがラスボスを浄化、破壊された街とトランプ王国も元通りに。アン王女だけは戻らず、彼女の魂を分けて生まれたレジーナと亜久里とアイちゃんは生き続ける。アン王女との別れに際して、共に居たいと泣き崩れるマコピーと、マナ、六花、ありすも共感して涙を流すという最終話に付き物の別れも描かれていた。
異例なのは3幹部が改心せず、1万年の眠りにつくべく街を去ったこと。結局何者なのか分からないのだけど、この顛末の処し方もアリだと思う。イーラは六花との繋がりがあったので変わるかと思ったのだけど。また、3幹部の中でベールはとことん悪い奴として立ちはだかったけど、マーモが終始影が薄いままだったところに消化不良を感じる。
国王が退位してトランプ王国は共和制国家となり、初代大統領にジョナサン(ジョー岡田)が選出され、こちらの世界との国交まで開かれた。最終話で異世界とこちらの世界が公に融和する展開も、全シリーズ中でレアかと。
そして、マナは日本政府から世界を救う任務を依頼されて仲間達とプリキュアとして活躍を続けるというエンド。
総じて、メンバー全員の能力が高い、ハイスペックプリキュアというのが本作の大きな特徴かと。これは小さい女の子達に向けたガールズヒーロー像なんだと思う。愛と勇気と友情で困難に立ち向かい、乗り越える強さ。メインヒロインたるキュアハートには、折れない強い心を持ち、人の悲しみや苦しみへの共感力を持ち、皆の精神的支柱たり得る英雄性があった。その点において、シリーズ屈指の強いメインヒロインだったかと。収束的なテーマは「愛」で、そこには敵の属性である自己中心性をも人の成長に必要な乗り越えるべき要素として包括する大きさがあったと思う。