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とても良い

まさか猫が両親の霊と戦ってたとはw
人間は猫の行動の意味を理解せず、猫もまた人間の行動の意味を理解しない。
これって単にアンジャッシュネタというよりは、リアルな人間と猫の関係性を描いているように思える。主人公はハルが悲しんでいる自分を慰めてくれたと解釈したけれど、ハルは全く違う理由で主人公を慰めたわけで。ただ、解釈は違えど「慰めた(顔を舐めた)」という行為自体の認識は両者で一致した。やはり、人間とペットとの関係性はそんなもんなのかもしれない。分かり合えたと感じたとしても両者の思考は違っていて、スキンシップなどの行為においてのみ認識が一致する。関係を持つということの意味を考えさせられた。

編集担当は僕も最初はウザいとしか思わなかったけど、彼が良かれと思って行動していることは尊重すべきなんだなと。その上でこちらの意見を言うなどして接して行くことが人同士の関係性を育むことなんだろうと。それは主人公と両親の関係性にも当てはまることだけど、主人公は図らずも母親の残したアルバムから両親がいかに自分を愛していてくれたかについて気づかされたという展開が悲しいけどハートフルでもあって良かった。んなこと猫は知っちゃいねぇわけだけど。

主人公は作家で人嫌いで引きこもるのが好き。でも、それではきっと行き詰まる。人間は作家であろうと、内向性だけでは幸せになれない。バートランド・ラッセルは幸福の条件として外向性を挙げている。おそらくこの作品は、猫との関係性を描きつつ、主人公が少しずつ外向性を獲得していく物語なんだろうなと推測してみる。



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