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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

最速上映を劇場にて鑑賞。プリキュアの映画は年々発展していると改めて感じさせられた。
TV本編にてシリーズで初めて変身バンクでヒロイン達が歌ったように、本作は歌が特徴的に扱われている。2015年頃(アナ雪のヒットの翌年)から劇場版にミュージカル的な歌唱を絡めた演出が取り入れられるようになったように記憶しているが、本作での歌唱の用い方はミュージカル的なセリフを歌うような演出ではなく、重要なシーンでテーマ性のある挿入歌をしっかりと歌い上げるアプローチが採られていて、それがとても効果的で素晴らしかった。

脚本の特徴としては、従来の劇場版では必ずあった序盤から中盤にかけてのギャグ要素がほぼ廃されていて、物語の力で観客を惹き込もうとする意図が感じられた。これは大人には十分効果的だと思うけれど、ギャグ要素無しで小さい子が序盤から中盤にかけて集中力を保てるか、微妙なところかと。その辺りについては、制作陣が実際の観客からのフィードバックを気にしていることと想像する。つまり、新しい試みであると解釈する。

作画に関しては序盤から中盤にかけては2D主体でよく動かし、終盤は3DCGを増やしてキャラの立体感と舞台の奥行きと広がりが上手く表現されていて、長年の積み重ねを感じさせるクオリティだったかと。背景美術などディテールの描き込みは女児向け劇場版としては十分で、高精細になり過ぎないように抑えられていると感じた。

最後に、作品全体の所感としては、地球と宇宙空間、様々な星々が舞台となるTV本編の特徴がふんだんに活かされている上に、ヒロイン達が地球というフィールドをもワイドに駆け巡るという空間移動の要素、地球人と宇宙人の混成チームのプリキュア達と未知の地球外生命体との交流という拡張現実的なダイバーシティ要素、星の消滅から誕生と成長といったモチーフなど、非常に舞台スケールの大きいスペースファンタジーに仕上がっていて、これまでにないプリキュア映画の地平を開いた意欲作だと感じた。



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