Annictサポーターになると広告を非表示にできます。
とても良い

きつい……この作品は残酷だ。
マーチは最も死すべきではない人物に思えた。しかし、始まりの極寒の地の少年もまた死すべきでないと思えたことを思うと、因果に一貫性がある。
ハヤセがしぶとい。最も人間性を穢した人物のように思える。
フシはマーチを最初の母なる存在として認識したことだろう。そして、原初的な意識と感情を芽生えさせた。刺激と呼ぶにはあまりにも尊い犠牲だったと思う。
マーチは彼岸へと旅立ち、フシは此岸の彼方へ旅立つ。生きるも死ぬも旅路であるというのが、この作品の死生観なのだろうか。確かに、僕の周囲で亡くなった人々は、彼岸へ旅立ったというような感じがする。けれど、そういう感じがするというだけで本当にどうなのかは分からない。死は圧倒的な断絶でしかないとも考えられるわけで。それを旅立ちであるとするのは長らく人類が必要としてきた観念なのかもしれない。などと、死生観について考えさせられる。



Loading...