何という結末。すげぇ。
醍醐は多宝丸と母親が死に、景光だけが生き残るという皮肉。多宝丸も景光も百鬼丸に人としての情けを掛けられて自らの過ちを悟った。鬼神に肉親を捧げて国を守るのは誤りで、人の力によって人の国を築いていくのが正道であるということだろう。
やはり百鬼丸が全てを取り戻せば最後の鬼神は滅びるという寸法だった。始めから景光がそこに気づいていれば醍醐の国が滅びることはなかったかもしれない。
手塚作品の名作と言われるだけのことはあると思う。
どろろも百鬼丸も、どう生きるべきかという同じ出発点に至る因果の道筋が実に見事に収束するあたり、すごいストーリーテリング。