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とても良い

毐国の話は史記にも記述があり、その建国と滅亡自体は瑣末事であるが、秦国内の政争への影響は小さくはなかった。
太后の名は趙姫、趙の出身であることから史記にはその名が記されている。元々は呂不韋の妾であり、呂不韋は趙姫の出自を偽って先代の秦王(荘襄王)に差し出し、趙姫は王妃となり嬴政を産み、荘襄王の死後、太后となった。(嬴政は呂不韋と趙姫の子という異説もあるが、信憑性は薄く、後世に始皇帝を貶めたい勢力によって立てられた噂話だと思われる)
呂不韋は太后との肉体関係を断つために、巨根絶倫の嫪毐を見出して後宮に送り込み、宦官に必須の宮刑(去勢)を行ったという偽文書を作る裏工作までした。これが呂不韋の最大のミステイクであり、呂氏春秋など歴史に名を残す傑物でありながら人品の卑しさから出た身の錆とも言える。

毐国の変に際して活躍したのは昌平君と昌文君であり、嬴政が前持って備えさせていたと史記にはある。ので、キングダムの今話でも昌平君がイニシアティブを取っている描写が見られる。
史記では、毐国が嫪毐の房事によって建国されたことが醜聞として周辺国に広まったとあり、手を結ぶ国があったとの記述はない。ので、楚が太原と繋がっているというのは、話を盛り上げるためのキングダムのオリジナル展開と思われる。
太后、嫪毐、呂不韋の愛憎劇という軸で今回のエピソードはまとめられて行く予感。史実的にもそれは色濃くあっただろうと思う。



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