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とても良い

静かに始まってラストにフルスロットルに持って行った感。
超常解放戦線、死柄木の理念はアナーキズム、いわゆる無政府主義に思える。「好きにやろうぜ」は誰がどのように力を行使しても良いってことを意味すると思う。制限のない力の行使は法の否定を意味するし、理性の無力化をも意味する。奪うことも奪われることも公然と肯定されるからだ。
人は社会という秩序を作ることによって、束縛や抑圧をも生み出してしまう負の側面を持つ。けれど、秩序を全面否定すると本来必要な欲の暴走の抑止が無くなってしまう。つまり、負の側面を抱えながらも秩序のより良い在り方を模索してアップデートしていくことが、人間の共通課題となるべきだと思う。その観点から言えば、超常解放戦線のテーゼは決定的に間違っている。既存の社会による抑圧の反動からだとしても、彼らが混沌の極致を信奉するというのなら。
この作品は最初から、ヒロイズムを軸に、社会の有り様と個人の哲学的命題の対立を含んでいると思う。それらに決着をつける物語が佳境に入っていくのを予感させる1話だった。



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