いくつもの事件を解決していく構成だと思い込んでいたが、
気づけば、いつまでも鋼人七瀬を追い続けている。
キービジュアルを見直してみれば、そこには彼女が描かれていた。
始まる前から、物語の中心は鋼人七瀬だったのだ。
じっくりと、
追い詰め、追い詰められ、
ミステリーと怪奇が絡み合いながら、ゆっくり進んでいく。
普通のミステリーなら、
謎を解き明かす=真実を追い求めることになる。
だが、『虚構推理』はそこが違う。
疑惑を投げ、
過去を推察し、
調査と証言を集め、
時には扇動し、
そして失敗する。
簡単には解決しない。
だが、確実に前へは進んでいる。
真実に辿り着くのではなく、
「成立する物語」を積み上げていく。
だからこそ、この作品には新しい風を感じるのだろう。