2話あたりから転生者を匂わせていた彼女が、やはり転生者。
しかも続編プレイ済みで、本作主人公より未来を知っている立場だったとは。
重度のアクア推しとして、聖なる祈りで奪おうとするも失敗。
未プレイのまま亡くなったことを嘆き取り乱す姿は、ゲームを本気で愛しているプレイヤーそのもので、どこか憎めない。
あかりの転生者バレは、ただのどんでん返しではない。
彼女は
「悪役令嬢の敵」ではなく、
“アクアというキャラを愛しすぎたオタク”。
しかも続編プレイ済みという、一段上の視点。
未来を知っている=物語の行方を知っている側。
それでも――
奪えなかった。
ここが静かに尊い。
彼女は敗者かもしれない。
でも悪役ではない。
推しを本気で愛した人だ。
身の危険に迷わず助けに入るアクアもさすが。
そしてアクアの国へ向かう一行に、あかりから手紙が届く。
「ハルトナイツと上手くやるから、2人も幸せになって」
この国の言語で綴られた手紙の追伸に、日本語で――
「続編のヒロインに負けたら承知しないから」
これは宣戦布告ではなく、
“同志からのエール”だと思った。
同じゲームを愛し、
同じキャラを愛し、
でも選ばれなかった側からの、潔い祝福。
しかも日本語。
物語世界の人間としてではなく、プレイヤーとしての彼女からの言葉。
だからティアラがその手紙を大切にしたいと思うのも自然だ。
“選ばれたヒロイン”としてではなく、
一人のゲーム仲間として認められた証。
この一文に込められた愛情が、とても良かった。
あの手紙を大切にしたいと思う主人公の気持ちが、自然と理解できる回だった。