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全体
とても良い
映像
良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
良い
音楽
とても良い

 1990年代を代表するエロゲ原作アニメがついに完結。
「|新世紀《ネオンジェネシス》エヴァンゲリオン」はロボットのエリートパイロットとなって、パイロット仲間の女の子たちや上官を攻略するという当時としてはわりとよくあるエロゲのひとつとして開発されました。

 しかし、このゲームには大きな特徴、いえ問題があり、それが話題となって多くのファンの心をつかんでいったのです。

 その問題とは、トゥルーエンドが存在しないこと。省略作画のイラストがあるだけで、とてもそれが本当のハッピーエンドとは思えないものだったのです。しかも、最後はバグって落ちて終わります。これが演出であるという説も出てきて大いに話題になりました。

 また、トゥルーエンド以外のエンディングは胸糞が悪くなるようなものばかりでした。ひどい鬱ゲーです。

 ゲームの開発元であるガイナックスは、「お詫びデータ」を配布。
 さらに時は流れ、エヴァンゲリオンはガイナックスからカラーのものへ。そこで深刻なバグを改善するとするパッチの配布がありました。このパッチにより、ヒロインのひとりの名字は、「惣流」から「式波」に変わってしまいましたし、「お詫びデータ」に入っていた攻略可能な新キャラクタ「真希波・マリ・イラストリアス」は外見は可愛いメガネっ子なのに、中身は「謎すぎる昭和ババァ」でした…。

 女の子たちはかわいいし、主人公は男の子にも好かれて、もうみんなから好きすきウェーブ浴びまくるなんだけど、みんな死ぬから話は暗い。

 新世紀エヴァンゲリオンの旧劇場版では胸糞の悪くなるエンディングの数々をもとにストーリーが作られ、劇場に足を運んだファンは「本当のエンデイングくれぇ…」と弱々しくうめきました。

 あれから幾星霜。いろいろあってえ、アニメ制作会社もガイナックスからカラーになった新劇場版では、綾波ルート、式波ルート、真希波ルートを合成したストーリーが展開され、ちゃんとしたエンディングを迎えます。

 ちょっとこじんまりしてしまった感もありますが、きちんと風呂敷が畳まれるのは気持ちよいものですね。

 Blu-ray版には劇場でも光線で隠されてしまっていた、ムフフなシーンが収録されるとのこと。楽しみですね。

なお、本作の陰の主人公は「槍《やり》」です。槍を衛星軌道上に投擲して「投げやり」を表現したり、「やり抜く」、「やり直す」「やりきる」など、槍言語といえるほどダブルミーニングしてくれました。乾いた笑い出たわ。

 とそれらはさておき、新劇場版はエンタメ路線になったから、男にとって都合のいいお人形みたいな女しか登場してねえんじゃねえかとは疑えたよ。
 痛みに満ちた旧劇場版のほうが私は好みかもしれない。

 そして、気持ちよいエンドを求めるなら貞本漫画エヴァが最高。ちゃんと自立して終るし、誰にも縋らない。ホント、普通に最高。

 前半が最高で後半がグダるのがエヴァンゲリオンの伝統といえば、本作はその伝統を受け継いで、総決算してくれたとも言えるかも。

 戦闘シーンが高速すぎて見えなかったです。たぶん意図的。尺の問題かもしれないけど、スピーディーではなく雑な感じがしました。

 確実にネタバレになりますが、式波さんは惣流さんとは別設定で、式波シリーズのひとりだったんですね。新劇場版だけ別世界。そして、新劇場版以外で惣流さんがやった役割を昭和ババァである真希波さんがやったと。そんな必要あった!?

 でも、メガネっ子大好きなので、私はマリ派なんだよ。たぶん、これが全て…。


新劇場版エヴァはTV版と設定がいろいろ違っている
つまり旧版の設定はいいかげんで、やっぱり、そのままでは完結しなかったということではないかなと思う。後付設定でゴリ押ししたところは感じた…。

「ゼーレ」は人類ではなく、人類に知性を与えた高次元の存在(オカルト…)

「碇」ゲンドウはもとより「碇」ゲンドウで「六分儀」姓であったことはない。

「碇」ユイの旧姓は「綾波」であり、後の綾波レイのオリジナルとなった存在。ゼーレの遺物であるエヴァへのダイレクトエントリー実験を発案し、自分で実行してエヴァに取り込まれた。エヴァと一体化してからは半ば高次元の存在っぽい。碇シンジが特殊な存在になっているのは、母親がエヴァに取り込まれているから(という設定は新劇場版以前にもあったが、より明確化された)。

「綾波レイ」は「綾波ユイ」のコピー品でエヴァンゲリオンを動かすための部品のひとつ(たぶん「チルドレン」ってそういう意味)。ゲンドウ的にはユイのコピ―ではダメだったっぽい。劣化コピーだったのか…。

「式波」アスカラングレーが「惣流」であったことはない。綾波レイと同様にエヴァンゲリオンを動かすための部品。式波シリーズのひとつ。
新劇場版のキャラクタでいちばん大きな設定変更ではないかな。姿形は同じでも旧劇場版やテレビシリーズとは別人。クソ分かりにくいし、物語(を終わらすこと)のために捻じ曲げられた不自然さがいちばん出ている。ケンスケとくっつくのも謎なんだよな。そんな伏線あった? 新劇場版の犠牲者だと思う。メタな意味で可哀想なキャラクタ。

真希波マリ・イラストリアスは碇ゲンドウやユイの同級生でババァ。なぜ年をとらないかというのは劇中では明示的には語られていなかったと思うが、ゼーレの技術っぽい(?)。

碇シンジはゲンドウとユイの間にうまれた子。他のチルドレンはホムンクルスっぽいが、碇シンジは普通に人間。ユイがエヴァに取り込まれ後天的にゼーレっぽい存在になったことで、彼女の子であるシンジは特別の存在となってしまった。エヴァを通して高次元の世界に行ける(ああ…)。無限に近くエヴァにシンクロできた。「神と子と精霊」というトリニティのあれでいうと、神の子であるキリストとなった存在。ここでいう神は「ユイを取り込んだエヴァ」ということになる。

碇シンジが人のままで人類を補完したことで、世界はめでたしめでたしになった。だってキリストってぜんぶ救ったでしょ、って。



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