セーラー服冬服のミライが、スリップまたはキャミソール着用でした、と。
前作でもそうだったが、自分と細田守監督の距離が随分と開いてしまったなあ、と感じる。監督が映画で描こうとしていることやモチーフにあまり興味を惹かれず、心をつかまれるような映像表現もあまりなかった。要するに、映画自体の良し悪し以前に、自分はもうターゲットから外れている、ということだ。
とはいえ、自分がこれまでに見たアニメの中では、本作は「かぐや姫の物語」と並んで、最も乳幼児が乳幼児らしく描かれている作品だと感じた。そのあたりの観察眼やアニメに落とし込む技術はやはり卓越したものがある。
幼児であるくんちゃんが、まだ上手く体をコントロールできない頃特有の体の使い方をしているのに感心した。言動も、精神がまんま大人だったり、大人の想像の中にしか存在しない観念的な幼児だったり、ということがない。感情優先で理不尽でめんどくさいところも含めて、実に幼児らしい。
ただ、残念なことに、くんちゃんの声の演技が自分には全く幼児には聞こえず、幼児らしさを大きく削いでしまっていると感じた。くんちゃん以外のキャスティングについても、作画等の声以外の演技に比べて、全般的に声の演技が追いついていないと感じることが多かった。でも、監督はこれでOK出してるんだよなー。