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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

ネタバレ:アリスもテレスも出てこない!

それはさておき。
見ながら何度も心を揺さぶられました。一度最後まで見ていろいろわかった上で、もう一度最初から見てみたい。きっと同じシーンでも感じ方が変わるはず。

自分にとっての岡田麿里さん脚本の魅力である、猥雑で生々しさを感じさせる人物描写を、本作でも存分に堪能できました。相反する面を平気で同居させることができる、多面性を持った人間。

バカじゃないのかと言いたくなるくらい単純でありながら、同時になぜそこでと言いたくなるようなところで捻くれている。自分でもわけのわからない苛立ちがいつも心のどこかにある。映画を見ているとそんな思春期の頃の自分が心の中に蘇るようでした。

芝居も映像表現も、劇場作品に相応しいとても見応えのあるものでした。影の主役と言っていい製鉄所をはじめとする美術も素晴らしかったです。駐車場で雪が雨に変わるシーンとラストカットが特に心に残りました。



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