不器用なザガンと、そのザガンに奴隷として買われたネフィことネフェリア、2人のすごく微笑ましいラブコメが楽しめる良い作品だった。ネフィを買ったはいいものの何をしてあげれば良いか分からず、不器用ながらも少しずつ自分なりに愛情表現をするザガンは応援したくなるような男だったし、自分が想像してたことと違うことを言ってしまった時とかの「やらかしたー」的な反応が面白かった。恋愛においてはこと不器用な男ではあったけど、ネフィに対して見せる笑顔、聖騎士のシャスティルや自分に襲いかかって来たウォルフォレ、一度は自分を落とし入れようとしたバルバロスなどに対する優しさや懐の深さから、魔王と呼ばれる存在になりながらも心優しいキャラだった。作中最強クラスの能力を持っていることもあって、ネフィや他のキャラが危険に晒された時もザガンが登場した時はかなりの安心感があった。シリアス展開の時もそれ程重くならず、安心して見れたのはザガンの存在が大きかったと思う。ヒロインのネフィの方は、ザガンに買われるまでは奴隷として使われ、おそらく非道な扱いも受けていただろうこともあって、感情の変化も乏しく心を閉ざしていたけど、ザガンの関わる中でその優しさに触れ、少しずつ自分の意思や感情を表に出すようになった。とても健気な子だったし、嬉しかった時に耳をピョコピョコさせるのがすごく可愛かった。ザガンとは、主従関係を超えてお互いがとても大切な存在になっていったし、ザガンは不器用だけど、ネフィも時には積極性を見せるけど基本的には奥手な時が多いから、お互い照れながらも少しずつスキンシップを取る様子は見ていてすごく癒やされた。後半はキャラも増えて、ザガンとネフィのラブコメと同時に、シャスティルやフォル、バルバロスも加えた楽しげな様子も描かれた。気軽に見れる癒やし系ラブコメとして、そしてキャラクター同士の楽しそうなやり取りが描かれたコメディとして、とても面白い作品だった。