最初にキービジュアルを見た時はコメディ系の作品なのかの思ってたけど、いざ本編を見てみたら結構シリアス目の作品で、けどすごく見応えのある面白い作品だった。一応は戦隊vs悪の組織という構図になってはいるけど、ストーリー開始時点で既に戦隊側が悪の組織を事実上無力化し、民衆を相手に「日曜決戦」と称する八百長試合を見せるという、他の作品には中々ない設定のもと始まった作品だった。戦隊側の方が戦力は圧倒的に上で、悪の組織側は理不尽に虐げられたり、戦隊の言いなりで利用されたりと、辛酸を舐める側になっているような状態だった。そういう世界観もあって、主人公の戦闘員Dも序盤はなす術なく倒されてしまう場面が多かったけど、やられ役という運命に抗い、戦闘員としての意地や戦隊への強い憎しみを胸に立ち向かい、少しずつ戦隊側の意表を突き、一泡吹かせる展開も増えていって、爽快感を味わうことができた。桜間と入れ替わって戦隊に侵入し、そこで訓練中の候補生と試験に臨み、対立や協力を繰り返していく中で、候補生達に対して情が生まれ、幹部ペルトロラの襲来時に共に戦う場面もカッコ良かったし、王道展開でテンションが上がった。強大な戦隊に立ち向かう戦闘員D、後半で描かれた試験、そして戦闘員D&候補生達と幹部の戦いなど、弱い者が強い者に立ち向かい、苦戦しつつも一矢報いるという、ドキドキしつつ爽快感のあるストーリー展開がすごく良かった。また、この作品は、戦隊vs悪の組織という構図に収まらない、キャラクターそれぞれの思惑とその交錯がすごく面白かった。戦闘員Dをして腐っていると言われる戦隊側も一枚岩ではなく、内部から戦隊を変えることを目指す桜間、戦隊壊滅を企んでいると思われる錫切の他、ドラゴンキーパーの5人や候補生達もそれぞれの思いや目的、野望を持つキャラが多かった。その目的のために他の人物を利用したり裏切ったりするキャラもいたけど、それだけでなく友情や大切な人を守ろうとするキャラもいて、絆を感じる場面もあった。キャラクター同士の関係性や、野望を果たすための動向に注目して見ても面白い作品だった。他に、この作品はアニメとしてのクオリティも高かった。絵も綺麗で、戦闘シーンもかなり迫力があった。劇中bgmも個人的にかなり好きだった。1期はブルーキーパー死亡という衝撃の事件が起こり、戦隊側にも大きな変化が起こることを予感させる終わり方だった。その混沌の中で戦闘員Dがどう動くのか、2期を楽しみにしてる。