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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

初めてこの作品を見たのが去年の夏(2023年7月下旬頃)だから、リアタイ視聴ができたのはこの3期だけだったけど、久美子達が北宇治の吹奏楽部に入学してから、3年生として臨む最後のコンクールまで、キャラクターそれぞれの人間ドラマと成長を見ることができて本当に良かった。オーディション時に見られる先輩と後輩の関係や全国大会金賞を目指す上での部員同士の対立やすれ違い、けどそれだけでなくキャラの友情や師弟関係、そして少しだけ恋愛、様々な人間ドラマが見れてとても面白かった。弱小だった北宇治が全国金賞を目指すまでの過程では本当に色々なことがあった。きつい練習に対する部員達のモチベーションの違い、部内オーディションとその時の先輩への気遣い、部活内の人間関係など、現実の吹奏楽部にも実際にあるようなリアルな描写が多く、シリアスな展開も多かった。けどそういうすれ違いやギスギスだけではなかった。部員同士の絆を感じられるような感動する展開も決して少なくなかった。久美子と麗奈の関係がその代表になると思うけど、久美子と塚本の関係、1年の時の久美子とあすか先輩の関係、小笠原部長・あすか先輩・香織先輩の関係、みぞれ先輩と希美先輩の関係、中吉川(仲良し川)と一部で呼ばれる夏紀先輩とデカリボンこと吉川先輩の関係、久美子と久石奏の関係、求くんと緑輝ちゃんの関係、そして今回の3期でスポットが当たった久美子と黒江真由の関係、キャラそれぞれの苦悩や葛藤、対立やすれ違いもありつつ、その先にある固い絆には本当に感動した。友情、恋愛感情、先輩と後輩、師弟関係、部を引っ張る幹部の仲間、そしてどれにも分類することが難しい一言では表せないような特別な感情、色々な関係性の形があったけど、それぞれに唯一無二の良さがあったし、それがこの作品の最大の魅力だったんじゃないかと思う。個人的には、久美子と麗奈、久美子と塚本、みぞれ先輩と希美先輩、求くんと緑輝ちゃんの関係性が好きで、それを特に楽しみに見ていた。特に久美子と塚本は、両片想い状態で、この作品における貴重な恋愛要素の1つも担っていた。2年生の時に1度恋愛関係になりつつも、部活に集中するために恋愛的には距離を置くという展開になった。けどそれでも、部活の仲間として、そして3年の時は幹部として、お互い助け合っていた。どちらかというと久美子と麗奈の関係に重点が置かれたから描写はそれ程多くなかったけど、久美子にとっては麗奈だけじゃなく、塚本もまた特別で大切な存在だったと思う。3期最終回ラストで教師になった久美子が持っていた名簿に付いていた花から、直接描写はなかったけど、卒業後に久美子と塚本はまた恋人関係として共に歩んでいるんだと思う。もう少し久美子と塚本の描写も沢山欲しかったのが個人的な本音ではあるけど、2人の明るい未来を自分で想像してみるのもまた面白いかなと思う。求くんと緑輝ちゃんの関係性もすごく好きだった。緑輝ちゃんを単なる先輩だけでなく師匠として慕う求くんと、嬉しそうにそれを受け入れ、求くんを大切にする緑輝ちゃんの描写がすごく良かった。3期で求くんの掘り下げがあって、求くんが緑輝ちゃんに自分の姉の姿を重ねていることが分かってからは、2人の関係性をもっと好きになった。単なる憧れだけではないだろうし、これもまた一言では表せないような感情だろうけど、2人の絆もまた、自分がこの作品で注目してた要素の1つだった。最終回でのやり取りは最高だった。キャラ単体としては、自分の場合やみぞれ先輩と滝先生が特に好きなキャラだった。みぞれ先輩は大人しくて不思議な発言も多くて可愛かったけど、その発言が時に久美子に何か気づきを与えたりと、作品の中で重要な意味を持っていた。あと、演奏中の姿は本当に美しく神々しかった。滝先生は吹奏楽部の指導に関してはスパルタだったけど、亡くなった奥さんのことや、特に3期では、表には出さなかったけど本人なりに悩んでいるかのような描写があったり、久美子の成長や金賞の獲得で涙を流したりと、より人間らしい一面が見れてとても良かった。生徒だけじゃなく、滝先生もまた、生徒達と同じく、悩みながらも金賞獲得のためにできることをするキャラだった。久美子達の3年間は本当に濃密だったし、辛いことも多かったけど、その分楽しかったと思う。その歩みを、頑張りを、この作品を通じて見ることができたからこそ、最終回で全国金賞を獲得した時は本当に感動した。ストーリーやキャラクターだけでなく、作画や演出、そして演奏パートも見事で、どの点においても本当に素晴らしい作品だった。



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