子供ゆえの無力感。わかってくれない大人たち。
自分はいいオッサンだけど、帆高と同じ目線で話を追っていた。ボーイミーツガール、いいよね……
と同時に、須賀の選択も理解できてしまった。大人だから……
でも、クライマックスは帆高と一緒に走っていた。あの廃ビルを目指して。そして、彼女が言っていた、あの屋上はすぐそこなのに!
伏線から展開はあらかた読めていたけれど、帆高が選択した結果の、変貌した世界。あれには少し驚いた。なるほど、セカイ系。二人のせいではない、とは語られてはいたけれど。
帆高と陽菜、二人に関わる大人と子供たち。魅力的なキャラクターばかりだった。須賀と夏美が特に好きだなあ。キャストも合っていたと思う。
「君の名は。」では陽の東京が描かれていた印象があるけれど、今作では東京の影の部分が描かれていたように思う。それでも期待を上回る美しい映像だった。雨の表現もすごかった。
「君の名は。」はラブストーリーにSFが上手く絡められていて、そこが好きなんだけれど、今作はどちらかというとファンタジーで、そういった意味ではちょっと肩透かしだったかも。でも、こちらの方が好きだなあ。