面白かったです。少し霧のかかったような、どこか絵本の中のようなファンタジー感のある画面で好みでした。
人もまたDIYです。修理しながら自分を組み立てながら続いていきます。怪我をしても治って、ちょっとばかり悪くなりながら生きていきます。既製品のようには綺麗にいきません。晩酌が夕食のご母堂も、3食きっちり食べるよりも、それで体調が続くならそれもまたよしです。エンディングの木目がひとつひとつ違うように時間を刻みながら出来上がっていきます(キャラクターデザインの髪の裏側に色がつく様子は、この木目にペンキを塗ったのと同じでかつ反転したものにみえました。きっと人間は既製品の外側に個性があります)。
ふたつの学校の作られ方もどうしてこうなったのかといった風情ですが、なんやかやあったのでしょう。
矢差暮 礼の物の身につけ方や、それによる姿勢の変化が面白かったです。重い工具を持ち運んでいるので腰の辺りに重心があって、背が伸びている感じ。線を描くために、やかんの蓋を使うような柔軟さもみていて面白いものでした。
主人公せるふの目標も、やわらかい目標設定で好みでした。幼なじみと昔みたいに遊べるベンチを。それから、こういう感じに不器用でよく怪我をする人だったので、だいぶ共感するところがあります。靴が印象に残りました。おそらく怪我をしにくいように、スニーカーを履いて登下校しています。
一番好きな回かもしれません。本当の本当の本当に一番好きですが(そして基本的に出されたものが正解だと考えますが)、あえて自分の好み全開で希望を言えば、最後のセリフがないほうがより好きだった気がします。セリフがなくても言葉にしなくても全然状況と楽しさが伝わってきました。それはさておき、ざぶーんっていう滝みたいな涙の音から、キュルガの動きから、キュルガの顔のどアップから、全部好きでした