2回目。ネタバレ指定。
「あいしてるも、少しはわかったのです」
「わかっただけ…?」
いつもはクールな優等生のヴァイオレットが、感情むき出しに行動し始める熱さ。
初回の「職業観」とも関係するけど、「伝える」為の所作や小道具が多く登場する。
指切りとサムズアップ(親指)が、重要なシーンで度々使われるけど。また、小粋な小道具としての電話が登場するけれど。伝える力が一番強いと描写されていたのは言葉。とりわけ、口ではまとまらない気持ちをも伝えられる、文章。手紙。
ヴァイオレットに逢わないつもりでいたギルベルトだが、最後に彼の心を動かしたのは、ヴァイオレットからの手紙だった。
こう言ってはなんだが、純粋に情報としてだけ言えば、ギルベルトが全く知らなかった事実は手紙には書かれてなかった。そこに書かれていた「事実以上の何か」が、それがギルベルトの心を動かしたに違いない。
坂を転げ落ち、泥まみれになりつつもヴァイオレットを追うギルベルト。こんなにも彼を突き動かしたのは、言葉。言葉を尽くすということ。ヴァイオレットは無意味だったかもしれないと手紙を残して島を離れたが、意味はあった。あったどころではない。
「黙っていても伝わることもあるけど、それはむしろほんとの例外。
言葉にしなければ、何も伝わらないよ。きみは私に何を伝えたいの?」
以前、自分にそう言った人がいたことを思い出した。