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最初から最後まで泣いてました。
見終わってみてこの作品のすごいと思ったところは、2つの時間軸で話が進んでいくところ。
まずひとつめが冒頭のシーンに出てきた、デイジーのいる"今"。彼女が祖母の葬儀に参加したところから始まりますね。
さて、このデイジーとは誰なのか。まさか…10話の続きがくるなんて誰が予想したか…!
この物語は、デイジーが「ヴァイオレット」という存在を知るところからスタートします。デイジーの祖母の名は「アン」、10話に登場した幼い娘さんです…!(開始5分で泣いた) 当時7歳だったアンが亡くなったとなると、これはテレビシリーズの時代から70-80年は後ですかね?この、第三者視点が加わることにより物語を俯瞰できるようになり「ああ、ヴァイオレットのストーリーは完結したのだな」と実感させられました。この"今"の時代には、ヴァイオレットは、自動手記人形サービスはもう過去のものとして語られていますから。

もうひとつはヴァイオレットたちのいる"今"。テレビシリーズから4年後といったところでしょうか?外伝のわりとすぐ後?恐らくヴァイオレットは17,8歳。
エリカが、7話に登場したオスカーに弟子入りして劇作家になっているのが何とも感慨深い。ヴァイオレットがいつも持っている傘も、オスカーからもらったものですね。

そんな感じで進むんですが、KVなどから見てギルベルトとの再会がメインのストーリーかと思いきや(いや実際そうなんですが)、何でしょうか、あの中盤の「ユリス」のお話は…!!!また!!そうやって!!!いいお話をぶちこみやがって!!!(全力で褒めてる)
このお話があることで終盤での「伝えたいことを伝える」ことの大切さや幸せが高まります…いや…今まででも十分に高められているんですが…
ユリスとのやりとりを見ていると、本当に、ヴァイオレットの感情も表情も豊かになったなと。話し方は相変わらず淡々としているけど、相手の気持ちをこんなにも汲み取れて、表現できるように。

終盤、ギルベルトと会えるかどうか、ヴァイオレット自身にも大切なタイミングで訪れる「ユリス」危篤の連絡。そこでヴァイオレットは言う。ライデンに戻る、と。
ギルベルトは生きていた、だからまだ想いを伝えるチャンスはある。でもユリスは…手紙を届けると約束もしましたしね…想いを届けられて本当によかった…

最後に、ヴァイオレットからギルベルトに宛てた手紙。台詞として読まれなかった一文にはなんと書いてあったのか。
予想はつきますが、主題歌である「WILL」の歌詞に『"あいしてる" と書いた手紙 風に揺れる』とあるので、やっぱりそうなのかなと。海のシーンで、泣きじゃくるヴァイオレットが何かを口にしようとしてましたが、気持ちが溢れるばかりでやはり言葉にはならない。
友人に言われて気づきましたが、〜でした・ました。の文章のあとに進行形で 愛してる と書かれていたら、確かに非常に胸が締め付けられますね…

締めの郵便局の博物館シーン。
飾られていた集合写真にみんなが写っていましたが…外伝に出てきたテイラーも写ってたらしいですね…?!それは気づかなかった。次見るときに注意しなければ…!!博物館の案内人をしているおばあさんは、作中で一瞬出てくる受付の女性だろうなぁ。

個人的には、ギルベルトとヴァイオレットには再会してほしかったですが、恋愛的によりは、もう少し曖昧?な、家族的な?大切な人といったニュアンスの "あいしてる" が好みだったかなと思いつつ、これもこれでよい終わり方であったと。
エンディングのあとに出た指切りの絵もなかなかよかったですねー、ユリスとの指切りは戸惑いもあってか浅い握りでしたが、最後のはしっかり結んでましたね。2人は何を約束したんでしょうか… ヴァイオレットのその後についてはデイジーが軌跡を語るのみではあるものの、恐らく島で幸せに暮らしたんでしょう。そういう演出が、視聴者の想像力に任せられてよいなと感じました。

と、感想を言い出したらくそ早口になりそうなボリュームになってしまいました。テレビシリーズ含めて、いろんな事柄や人との繋がり・積み重ねで出来上がったほんとに集大成だなーと。ありがとう石立監督様、ありがとう京アニ様。



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