10年前に両親が突然居なくなってしまったように、テレサも突然居なくなってしまったというのに、多田は感情の変化を皆に見せようとしない
「よっぽどの事があったんだろう」と突然の別れに理解を示したフリをしつつ、一人になれば「どうして何も言わずに居なくなったんだ」と独白せずにいられない。「頼りがないのは元気な証拠」と言いつつ、心ここにあらずだから別の料理を出してしまう
10年前の別れをずっと引きずっていて、伊集院に心配され続けてきた多田は決して強い人間ではない。だから今回の突然の別れという衝撃の事態にもきちんと向き合うことは出来ず、むしろテレサが居なくなった現実を受け入れざるを得ないものと必死に自分に言い聞かせようとしているようにすら見える。多田の様子は辛そうだが、そんな彼を近くに見ながら何も出来ずに居る伊集院も辛そうだった
老夫婦の会話、テレサの写真を見つけ自分の感情を抑えきれなくなったのか一人でツリーにやって来た多田。この時、多田の心に大きな衝動が巻き起こったようにも思えるけど、それにも多田は向き合おうとせず帰宅してからはテレサとの思い出の品をゴミ箱に捨ててしまう
彼がようやく自分の気持ちに気付けたのは部室でテレサの写真を、彼女が活き活きと映し出された動画を見た瞬間か。この時になってようやくテレサに恋をしてしまったことを自覚できたのか
そして長年の友人である伊集院に自覚できたばかりの自分の心情を洗いざらい話せたこと、祖父の後押しも有りラルセンブルグに向かう展開に。
運が良ければ再会できるかもしれないが、身分の差がある以上は二人の恋が成就するなんてありえない。だから多田がテレサと再会した際には自分の中にある言葉を伝えると共に悲しいものになりかけた突然の別れを悔いのない明るい別れにしなければならない。その為には多田は多くの勇気を示さなければならないだろうね
タイトルの意味がそろそろ明らかになりそうで次回が待ち遠しくて仕方ない