すみれへの対処がずいぶん早い。まあ、彼女はさとうへの憧れを拗れさせてロッカーを物色する、家に押しかける程度で危険性としては低く又さとうへの気持ちを利用して御しやすいというのもあったんだろうけど
いくら完璧に見えるからってあのさとうに憧れるのは破滅の始まりですよ
三者三様に語られる罪と罰、それらへの許しの表現が面白い
しおはあの日誰とも話さなかったとさとうに嘘をついたことで天罰が下ったと語る。母親の記憶に悩み頭痛に苦しむ様子は罰を受けていると受け取れる
三星はしおを独り占めしようとしたから殴られたと語る。でもピュアな存在となりたい彼としてはもう一度しおに会わなければならない。その天使に会う為にはどのようにすれば許されるのかと悩む姿は罪人そのもの
さとうはすみれを制するためとはいえ、しお以外の相手に好きだと言ってしまった罪によってしおが苦しんでいると考える。そしてその罪から許されるために三星が天使と例えたしおに自分の罪を懺悔する
罪を告げられたしおの対応が本当に天使のように優しさに溢れたものであるのが印象的。天使のようなしおが罪を犯したさとうを許すことによって自分の苦しみからも開放される。
しおがさとうを許す理由を挙げた後に言った「さとちゃんだからいいの」はさとうの全てを肯定する言葉。すみれを制する際にさとうも似たような言葉を告げているけど、あちらがすみれを縛るために全肯定したなら、こちらはさとうを許すための全肯定
互いを許しあい誓いの言葉を再び交わした二人の姿はとても美しい
けれど、ここで許されたのはあくまでさとうが罪だと考える行為だけ。「愛を偽ってはいけない」との考えの基で行われた殺人、誘拐はまだ許されてはいない
三星が「松坂さんは許されないことをしてるよね」と確認するように、その罪への罰はまだ表面化していないが、あさひとしょうこの邂逅によって事態は大きく動き出しそうだ……