ここまであまり主体性が見えてこなかった羊谷。彼はあそこまで紅華を想っていたんだねぇ
羊谷の兄が存在しない現実なら紅華の近くに自分の居場所を見つけられる。しかし、紅華が兄が存在する幸せな夢の世界に居るなら自分の居場所は無くなってしまう。それは世界の喪失と同義。だから世界の封印を積極的に進めようとするし、それに相応しい力も手に入ってしまう
宗矢は引き続きネガティブなまま。「封印されれば夢の中で幸せに暮らせるし、竜に殺されれば死んだ皆に会える」なんて呟いて部屋に閉じこもってしまう。羊谷と同じく世界を喪失した状態
戦うことを放棄した宗矢を突き動かしてくれるのはやっぱりのぞみの存在。彼女が言った「私は味方したい人の味方」は宗矢が龍造寺岳蔵に立ち向かう時に言い放った台詞と同じ。
その回ではのぞみが宗矢を受け入れ、街を守ってくれてありがとうと言ってくれた回。だから宗矢はその言葉を礎に「俺は味方したい人の味方」だと言い、竜から街を守った。
しかしその時は戦う燃料になっても、自分の町を失ったままの宗矢にとって自分の故郷でもない街を守るのは継続的な目的にはなり得ない
今回、以前の宗矢と同じセリフをのぞみが言い、眼の前で封印され動かなくなったのぞみ達を宗矢は目撃しまった。封印から逃れた宗矢からすればあの光景は擬似的な死だ。
宗矢からしたら再び大切なものを失いかねない状況であり、自分が何を守りたいかが明確になった瞬間でも有る。街とか平和とかそんな漠然としたものでなく、目の前にいる自分を守ろうとした人や助けてくれた人など、味方したい人達を守る味方になりたいと意思を固めた
自らの星は選択を間違え失われた。そんな宗矢が皆を助けたいと願い放った言葉だから幸せな夢の世界に落ちてしまった皆を引き上げることが出来たのだろうね
これまで戦闘の際はネビュラソルジャーと呼ばれて来た宗矢が仮面を脱ぎ捨て名乗り上げる。更に「帰る故郷が無いって現実が俺の居場所だ」と今の在り方を認めアイデンティティを確固たるものにした
ようやく主人公らしさを手に入れた宗矢が今後どのような戦いを見せるのか楽しみだ