からくり人形が跋扈するおどろおどろしさがありつつも登場人物達の優しさがにじみ出るような世界観にもなっており、第一話の時点で良作であると判る内容だった
相手を危険に巻き込んでしまうと知っていても、鳴海が被っていたぬいぐるみが大きくて強そうで助けてくれるんじゃないかとつい声をかけてしまった勝。そんな勇気と恐怖が感じられるからこそ、彼が泣きながら「死ぬなら僕一人でしねばいいのにさ」と言ってしまうシーンには胸を打たれたし、その後に鳴海が「お前は間違っちゃいねぇ!」と言って守ってくれる流れは本当に素晴らしい
しろがねが現れて貴方には関係ないと言われたことで一時は「ま、いいか」と離れた鳴海。彼が再び勝と関わろうとした理由は人を笑わせないと自分が死んでしまう病気があるから。今回のような悲劇が度々起こると知りながら誰かを笑わせるなんて出来ないという利己的な部分もある考え方だが、自分を助けるためには誰かを助けなければならないという鳴海の姿勢は自分の狙いを隠さないものであるだけに信頼できてしまう
そして自分のために誰かを助けなければならないというのは、もしかしたらしろがねにも共通する在り方なのかも知れないと思えた
まだ出逢ったばかりで互いのことなんて何も知らないのに、勝によって三人の手が繋がれたことで、まるで既に固い絆で結ばれているかのように見えてしまう
それにしても何故勝は狙われることになったんだろう?彼のおじいさんが幼少の勝に「もしお父さんが居なくなったら」なんてちょっと普通じゃない例え話をわざわざする辺り、元々命を狙われる一族だったんだろうけど
また、勝を守るはずのしろがねが勝の傍に居なかった理由も気になるな