勝の育った環境があまりに過酷……。おじいさんと仲良く話している絵が前回あったものだから、雑賀の家で大切に育てられてきたかと思えばそんなことなかったのね
「お墓って建てるのに幾らくらいするの?」という質問があまりにも小学生離れしていて唖然としてしまう
内容では、相反する二つの要素が効果的に使われていたように思う
鳴海としろがねは何度も反目するが、息の合っている部分もちらちら見える。人形相手にはしろがねがアルルカンで戦い、勝を狙った人間相手には鳴海が応じた。
又、鳴海が必死になって人を笑わせようとして逆に怖がらせてしまった場面ではしろがねが突っ込むことで漫才のように見られ結果的に笑えて貰えた
この二人の中で共通するのは勝を守りたいという想い。だから反発する部分はあっても一緒に居られる
何も出来ず何度も泣いてしまう勝と筋骨隆々で人形にも立ち向かった鳴海は真逆の存在のように見えるが、鳴海も昔はひ弱でいじめられていた
強くなればと中国拳法を習い変わった鳴海の姿は、不安や恐怖に押し潰されそうになっている勝を元気づけるもの。そして鳴海の芸で唯一笑ってくれる勝は鳴海が生きる上でなくてはならぬ存在
今回勝は人形遣いによって二度襲われる。襲撃されるという点では同じだが、襲撃者もぶっ殺し組と誘拐組で派閥争いをしている。そして勝を攫ったのは誘拐組。だから、勝救出に手を差し伸べた阿紫花はぶっ殺し組だけど誘拐組と対立しているから、鳴海達は冒頭で自分たちを襲ってきた相手であっても手を組む余地ができる
けれど、それは鳴海が言うように大人たちの勝手な都合でしか無い。勝を純粋な想いで守りたい鳴海にとっては腹に据えかねる事態
諸々の相反する要素がどのように絡まって今後の物語が展開されていくのか、楽しみに思えるような回だった