あれ、鳴海って記憶失ってるんじゃなかったっけ…?もしかして拳法関連だけ記憶を取り戻したんだろうか?
ただでさえ早い展開でありながら勝サイドと鳴海サイドに分かれて物語が進んでいく為に付いていくのが大変なのに、ここに来て過去編とは
それぞれの局面に共通する事項を一つ上げるならそれは出会いによる変貌なのかな?
しろがねはルシールに出会ったことで人形のようになってしまったが、一方で勝と出会い本当の鼓動を、鳴海から温もりを与えられた。鳴海を想って暖かな表情を浮かべるしろがねにはかつての人形のような硬さは感じられない
勝は鳴海を失った夢を見ることで自分の過去と向き合う必要性を痛感する。護衛役であるしろがねを置いて一人旅立つ彼からは、かつて助けを求めて鳴海に縋り付いた弱かった頃の勝の面影はもう感じられない
回想で登場した二人の兄弟はただ人形に命を吹き込むことを目的として長い旅をしてきた。それがフランシーヌと出会ったことでそれ以上の願いを見つけてしまう
兄の白銀はフランシーヌのように誰かのためを思う道にこそ意味があると考えを改め、学問に未練はないとまで言い切ってしまう
弟の白金もフランシーヌに魅せられ、あんなに兄弟仲が良かったのに兄に嫉妬した果てに二人が結ばれる場面を目撃してしまい顔を歪めて憎しみを募らせる
しろがねとフランシーヌ、鳴海と白銀。見た目が非常に似通っているそれぞれに訪れた出会いと変貌。しろがねには温かな変化が訪れたが、フランシーヌと白銀には辛い変化が待っているのだろうなとしか思えないのは、やはり二人の物語が人形遣いたちの因縁に繋がるからか
作品の質は悪くないのに展開がぱぱっと進むせいで、勝が旅立つ場面や白金が嫉妬する展開があまりに唐突に感じられてしまい、どう受け止めれば良いのか判らなかったのが難点