前回、今回とナランチャは思い通りの言葉を使えなくなってしまった。それは仲間との意思疎通に支障を来し一人で戦わせる状況に至る。
けど、意思さえ通じるなら必ずしも言葉は必要ではないし、言葉が通じるからといって必ずしも意思が伝わるわけではない。そんな事を感じさせる回
戦闘中、スクアーロとティッツァーノは非常に近い距離に身体を置きつつ、何度も言葉を交わし互いの意思を統一していく。二人のスタンドは一体一体では必殺の威力を持たないから、言葉を交わし連携を密にする必要がある。又、時に相手の身体に手を触れるのは逆上した相方を落ち着けさせるため。二人はそうやって意思疎通を行う
そのコンビは一見完璧に見えるが、意思の疎通を行おうとするがためにそれが逆効果を生んでしまうこともある
ジョルノを危険視するティッツァーノは早くジョルノを始末するよう、スクアーロに何度も言う。けれど、それはスクアーロにとって鬱陶しいもの
又、ナランチャが嘘の言葉を使い一瞬スクアーロを騙した際にはすぐにナランチャの行動に対処出来ない。ナランチャが何を狙っているかを共有する時間が必要になってしまい対応が遅れる
ナランチャの追跡が始まり恐慌するスクアーロ。ティッツァーノによって一時は落ち着くが、スクアーロを落ち着けるために放った幾つもの言葉は次第にティッツァーノ自身を落ち着けるための言葉になっていく。自身を安心させる根拠になっていた舌が切り取られていたことを知った瞬間に最大の失策が生じる結果を呼んでしまう
二人にとって言葉の連携は破滅を齎してしまう
対してジョルノは限定的ではあるが、ナランチャと意思疎通を行おうとする。しかし、クラッシュに噛みつかれたジョルノは思うように言葉を使えないし、正しい言葉が仕えないナランチャはそれに返すことが出来ない。
一見すると意思疎通が不可能な二人だけど、言葉以外の方法によって意思疎通を図っていく。自ら機銃を受け、連れ去られる直前にはボタンを遺したジョルノ。言葉ではなく行動で伝えられた意思は無事なランチャに届き、逆転の道筋を作っていく
こちらの二人にとっては言葉を介さぬ連携は希望を齎すものになる
黄金の夢を叶えようとするジョルノによって次々と影響され、希望を胸に抱くようになるブチャラティチームの面々。それは言葉などではなくても、確かな形となってそれぞれに伝わっていくものなのだろうね