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とても良い

リゾット、ブチャラティ達、ボスのそれぞれは2つのことを同時にこなす必要があった。
リゾットは己の誇りを守りつつ、ボスに一泡吹かせる。ブチャラティ達は過去映像を探しつつ、ナランチャが攻撃した相手を確認する。ボスはブチャラティ達から逃げつつ、アバッキオを殺す
どれも同時に行うは困難。リゾットは既に致命傷を喰らっているし、ブチャラティ達は少ない人数でトリッシュを守りながらボスの手がかりを探さなければいけない。ボスは既にリゾットとの戦いで大きく負傷している

それでも彼等が実行しようとしたのはあの警官が言うようにそれぞれの信念を抱えていたからだろうね
リゾットは殺された仲間のためにもボスを倒さねばならなかった。ボスの不正義を許せなかったブチャラティ達は誰を敵に回してでも自分たちが正しいと思うものを貫き通すと決めた
それらの信念は素晴らしいもので、本来なら真実へ向かい届くというもの

けれど、ボスはそれを許さない。ボスはブチャラティ達とは逆に真実を隠そうとする。
リゾットの最期の攻撃はキング・クリムゾンの力でボスの身体が本来の時間から隠されることで通じない。ナランチャ達は逃げる呼吸を追うが、その先には身代わりの子供が居て本来の敵は消えてしまう。
そしてボスは自分の本来の肉体を隠し、子供の見た目で行動することでアバッキオに警戒されることなくアバッキオを殺してしまう。それによって自分の過去を隠してしまう

アバッキオの死体を見つけた後、冷静に判断し過ぎてしまうブチャラティはすぐにここから離れる判断が出来てしまう。その判断が正しいと思えるジョルノとミスタも従おうとしてしまう。三人共自分の心の中にある「真実」から目を背けている。ブチャラティの唇を噛む動作はその現れだね
対してナランチャは純粋に自分の「真実」を訴える。それはブチャラティを振り向かせられないけど、その場に留まる時間が増えたことでジョルノはアバッキオが遺した手がかりに気付く。それによってボスがあれだけ苦労して隠そうとした顔が明らかになる。
いわばアバッキオの真実へ向かおうとする意志が同じく真実へ向かおうとするナランチャを通して、ブチャラティ達に受け継がれた形だね
とても感動的な流れ

暗殺チームの全滅、アバッキオの死、そして明らかになっていくボスの正体。物語が終盤に近づいてきたように感じられる



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