浅草の情景があまりに素晴らしすぎて本当に週間アニメなのかと一瞬疑ってしまった。また、脇をベテラン声優が固めている部分など様々な面でハイクオリティだと感じさせる内容
価値観の反転や対立が起きる回
沼の中の着物を見て炭治郎は何人もの少女を喰った鬼の行為を許せないと感じる。しかし、沼の鬼からすればあれ以上生きれば不味くなるからと、それどころか感謝しろとまでのたまう。相反する価値観が対立している
和巳は大丈夫かと声をかけた炭治郎を何も判らない子供と断じ胸ぐらを掴む。しかし、その表情や遺品を届けた行為から徐々に炭治郎も同じ思いをしたのだと察する。更にたこや沢山の傷がついた掌が炭治郎の歩んだ道の厳しさを教えてくる。
炭治郎は見た目は子供であっても、節々から発せられる子供らしからぬ様子が歪に同居する在り方は尋常さを感じさせない
人に賑わい夜でも明るい浅草の町並みは炭治郎の育った山とは大違いな環境。そこで遭遇したのは炭治郎の家族を壊した鬼舞辻無惨
炭治郎は鬼舞辻によって家族を失い禰豆子が鬼にされ山を出ることになったというのに、奪った鬼舞辻の方は都会で家族と共に暮らしているというあまりに反転した状況
その思わず吐き気を催すような在り方は炭治郎にすぐの行動を起こさせない。その隙が鬼舞辻に更におぞましい行動を許してしまうのだから遣る瀬無い
そういえば、原作では鬼舞辻遭遇直前に注文した山かけうどんは炭治郎に提供される間も無かったんだけど、アニメでは炭治郎の手元に届いた後に走り出す形に。
それによって、山かけうどんが地面に落ち散らばる様子がまるで何かが崩壊することを暗喩しているかのように思えたのは好印象なアレンジ
かつて炭治郎の家族を理不尽に奪った鬼舞辻は再びとある夫婦の安寧を壊した。この邪悪すぎる振る舞いはまさにラスボスとして相応しいもの。その人間とあまりに対立する存在に炭治郎がどう吠えるのか次回の演出が楽しみ