ヒノカミ神楽演舞~特殊EDまでの流れや演出があまりに神懸かっていて、心が震えてしまったよ
前半で善逸の状況を通して走馬灯について説明し、終盤でそれを活かした形で炭治郎の過去から逆転の一手を引き寄せる。更にそれが竈門一家の絆を表す展開にも結びつくのだから堪らない
あれは今年放送するアニメの中で1,2を争う名シーンになるのではないだろうか?
鬼でありながら家族の絆を求めた累の在り方はかなり異常なもの
十二鬼月として最も強いのに、家族を求め自身は弟として存在する。親は子を守り、兄姉は下の弟妹を守るべきと言う彼は姉に対して辛辣に当たる。力で従わせようとする。
彼が求めているのは目に見える絆。家族であるとか、命を懸けて庇うとかそういうもの。それがあれば強い絆であると信じている
これはかなり本末顛倒的。相手の意志を無視しているから、蜘蛛の糸で無理やり従わせている。己が望む振る舞いを強要している
ここでは蜘蛛の糸は偽物の絆の象徴として存在している
対して炭治郎は相手の意志を何より尊重する
母蜘蛛が自ら死を望んだ際には優しい太刀筋でその首を断った。姉蜘蛛が酷い目に有っている場面を見ればその絆は偽物と断じた。禰豆子の意志を無視して妹にしたいという要求には怒り心頭になる
炭治郎の方には明確に本物の絆と呼べるような象徴は存在しない。でも、だからこそ逆説的に絆で結ばれていると見ることも出来る
しかし、十二鬼月である累は圧倒的だから多少の覚悟や強さでは倒せはしない。禰豆子は宙吊りにされてしまうし、炭治郎は血鬼術により死が目前に迫る。二人共に偽物の絆の象徴である蜘蛛の糸で思うような振る舞いができなくなってしまう
なら、偽物の絆を打ち破るのは本物の絆となる。炭治郎が走馬灯の中から取り出したヒノカミ神楽は代々継承してきた技であり、継承した行為そのものが家族の絆だ
そして、母の幻覚から「今なら出来るはず」と血鬼術発動を後押しされた禰豆子を支えたのもやはり家族の絆だ。
累にはきっと認識することすら出来ないような見えない絆が、他者に振る舞いを強要する偽物の絆である糸を分断し、累の首すら切断する展開は爽快そのもの!
本当にこの回は素晴らしい内容だったよ。