先週の素晴らしい動ある回から、静が支配する回へ。
その中でも柱である冨岡としのぶの戦いぶりは強者の力を感じさせるね。二人共前回描かれた炭治郎のような熱い強さとは違い、冷たく静かな強さは逆に二人の柱としての実力を強調しているように思えた
前回、炭治郎と禰豆子の絆によって累が示した偽物の絆が打ち破られた。それを受けて、今回は累が理想とした偽物の絆の形が再び描かれた感じかな?特に蜘蛛家族の描写は原作に無いものだったので、この様な形で描かれたのは意外な驚き
この回を見て改めて思うのは累がとことん絆の本質を理解していないこと。累は見た目が整っていれば、それがそのまま本質に結びつくと思っているフシが有る。
炭治郎に追い詰められて逃げるため自分の首を切ったことを「負けてない」と考えている。首が繋がっている見た目は確かに累が敗北したように見えないが、そもそもそんな逃げを打たねばならなかった時点で実質は負けのようなもの
累はそれを徹底的に理解していない
元々は全く別の顔だった鬼達と血の盃を交わし無理やり顔を変え食卓を囲む蜘蛛一家。けれど、食器に何も入っていないようにその絆の中身は空っぽだ
同じ様な見た目の者が揃って座っている光景には家族らしさを感じるが、その実は強い鬼である累に守ってもらいたいという非常に利己的な考えによる集団
そこには絆なんてものはない
ただ、姉蜘蛛と共に逃亡しようとした鬼だけはまだ人情を備えていたのかな?しかし、姉蜘蛛だって絆を理解していない鬼の一人。誘いを平然と裏切り保身を図る
姉蜘蛛が自己保身の為に行動する傾向は他にも描かれているね
累につい逃亡を勧めてしまったのは鬼狩りの驚異に晒されもしかしたら累でも敵わないかもと思ったからだし、しのぶに嘘をついて許されようとしたのも少しでも助かる余地を増やそうとした為
累だけでなく姉蜘蛛だって絆を理解していない。きっとこれは鬼全体に共通していることなのだろうね
母蜘蛛の問いによって累は自分が求めていたものが家族の絆そのものではなく、絆を通して記憶を取り戻したかったのだと気付く
そして、再び首を飛ばされた累が目を向けるのは妹に覆い被さるようにして守る兄の姿。本物の絆を示す姿
次回は累が家族ごっこを始めるに至る動機が描かれるのか。鬼滅の刃は敵のこういう部分をきっちり描いてくれるから好きなんだよね