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とても良い

アストラに辿り着き旅は終わるのだけど、その瞬間から新たな旅や人生が始まる構造は美しい

語られるアストラの裏事情
人口を半減させた争いを繰り返さない為にワームホールごと歴史の改竄を行った第一世代。平和な世界を作りたいとの第一世代の願いが伝わってくる
第一世代は地球の終わりをアストラの始まりとしたわけだね

ただ、嘘偽りで作られた世界はやはり歪さを持ってしまう。その一端として大人達はカナタ達クローンを忘れられた技術を使って消し去ろうとする
それでもカナタ達が無事に帰ってこれたのは彼らの旅に嘘がなかったからだろうね。隠された真実は有っても、旅の中で交わした絆に嘘はない。だからシャルスは受け入れられるし、カナタの重症も大喜利みたいに扱われる

改竄の歴史の終わりは人々に混乱を齎したようだけど、それでも嘘偽りのない絆を持つカナタ達が訴えたことでアストラの人々は隠された真実を受け入れ嘘のない歴史を始める流れとなっていくのか
カナタ達の決死の旅が自分達の生還だけに留まらず、世の中すら変えていく描写は胸を打つね

帰還は一つの終わり。アストラ号は遺物として飾られワームホールも封印しカナタ達は過去の英雄として奉られるのが本来の有り様かもしれないが、カナタは再び宇宙への新たな旅に出るのだね。
過去の遺物として終わった存在のアストラ号やワームホールが未知の世界を切り開く希望のアイテムとして新たな始まりを導くのは非常に印象的

第一話でアリエスは孤独な宇宙の中で手を伸ばし誰かを求めた。この最終話ではカナタと結婚するというのにそのカナタは遠い宇宙へ。
孤独を感じたっておかしくないのにアリエスにその様子はない。アリエスの中で宇宙へ行くカナタを遠い存在に感じていない、手を伸ばせば届く場所に居るという感覚が有るのかもね。だから離れ離れになると思わない
これはきっと他のB5班のメンバーにも言えること。それぞれの道を歩みだした彼らが7年後の舞台で勢揃いする描写はない。それでも彼らがバラバラだには見えない。
絆は変わらずに有り、心は共に新たな冒険へ向かっていると感じられる描写

毎回毎回ジェットコースターに乗っているような展開でありつつもB5班の心情を丁寧に描き、そして壮大な背景を伴って描かれた帰還劇は素晴らしいの一言。
今年のアニメでトップ3に確実に入ると思えるような出来の作品だった



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