本人にはどうしようもない境遇の不利。施しを受けて夢を諦めるしか許されない絶望的な状況で育人を救ってくれたのは他人ではなく過去の自分
なんて感動的な展開
突然降って湧いた母の治療費問題。でもそれは母の「大丈夫」を鵜呑みにしていたことに因る先送り
育人の母は病に臥せっているが、それでも母の言葉によって育人は母の病状よりも自分の夢を優先できていた
それは母の庇護下に有ったも同じ
だから、母が本格的に倒れ庇護を受けられない育人は最早夢を追いかけるなんて出来ない。治療費を稼ぐので精一杯になってしまう
でも、育人は全てを捨てないからその状況でも夢を追おうとする
それは遠からすれば愚者の妄言
庇護を失った育人に迫られるのは大切なものを決めて別の何かを捨てること
遠からはデザイナーの夢、五十嵐からは心の夢。それらを諦めないなら家族の平和
高校生の育人が選ぶにはどれもキツイ選択肢
同様に千雪も辛い現状。数年かけて貯めたお金でパリに出向くも身長を理由に歩く事すら出来なかった
千雪が低身長により望んだ舞台に立てない描写はこれまでも有ったけど今回のは輪をかけて辛い
育人も千雪も自分の力ではどうしようもない壁を突きつけられて夢を諦めろと迫られている
だからこそ、誰かの施しではなく自分の行いで救われる展開には胸を打たれる
過去の自分の行いがあるから救われるに値する。服の価値が育人にはまだデザイナーとしてやっていけるのだと教えてくれる
あの服を着て自分と育人の可能性を示した千雪も同時に救われる
他者の庇護や施しではなく自分達の行いによって道を切り開いた育人と千雪
なんて最高の展開なんだろう、と思うと同時にラストの千雪の台詞があまりに素晴らしすぎるね