前回の育人はコンセプトを用いて自分のショーを表現したけど、今回の心と千雪はモデルの力とデザイナーの発想によってショーを表現する
だから、千雪は心に勝つ隙が生まれるし、心がデザイナーとしての力を示す場ともなる
心と千雪は協力するけど友達じゃない。モデルとしてライバルであり、モデルとデザイナーという従属関係でもある
だから馴れ合いにはならず、切磋琢磨する関係になれる
「素敵なウォーキングをして」「私の想像を超える服を作って」と要求し合う関係は良いね
一方で二人が胸に抱く「見返したい」「認められたい」との感情
また、心はモデルよりデザイナーをしたいが同時に五十嵐へ「恩を返したい」とも思う
二人が作り上げた舞台は様々な感情の上に立脚しているね
だからランウェイを歩く千雪はただ歩くだけで済むわけじゃなく、様々な演技を求められる
千雪は一人で何往復もしてモデルとしての自分を遺憾なく発揮した
心は努力に努力を重ねるデザイナーとして大量の服とアイテムを用意した
でもそれらは小手先の誤魔化しでもある
だからこそ、ラストに心と千雪がすれ違うことでネタバラシがされる局面が用意される
心の登場はやはりオーラの凄さが滲み出ているが、同時にそれまでランウェイを支配していた千雪の才能も伝わる
また、五十嵐に違和感なく着られるスーツを用意した心のデザイナーとしての力量も示される
このランウェイによって五十嵐はモデルとしての千雪もデザイナーとしての心も認めざるを得なくなる
二人は五十嵐を見返して認めさせたわけだね
育人のコンセプトショー、心と千雪のモデルショー
素晴らしい二つのショーの後に待ち構える本命の遠の存在が恐ろしい……