季節は秋に。という事は小熊がカブに乗り続けてそれなりの期間が経ち、カブによって広がった世界に身を置くことに慣れた頃。つまり今の小熊は一端のカブ乗りとしての矜持を持っている
そこでカブへの憧れを口にする椎が登場する事で小熊の新たな一面が見える構図は面白いね
秋になって周囲は文化祭の準備に励んでいるというのに、カブの乗り心地や装備品にばかり目を向けている二人は何ともらしいね(笑)
そんな二人がカブ意外に目を向ける理由があるとすれば、それこそカブが関わる必要がある。だからって「原付きなんかで~」と言っているのを聞いてムキになる小熊は随分変わったと言うか、カブの事になると目の色が変わるようになったと言うか
クラスの一員として手伝ったのではなく、カブ乗りとして手伝った小熊だから椎への助言もカブ乗りの先輩としての含蓄を備えたものになる。あれらの言葉は小熊がカブに乗ることで世界の見え方が変わったから言える事なのだろうね
その一方で人生の先輩である先生の「困らせて欲しいのよ」という言葉にピンと来ていなかったのはちょっと面白かったかな(笑)
小熊からは抜けた部分があるように見えた椎。けれど、彼女は体の冷えた小熊達に最も必要な温かいコーヒーを持ってきた。それに文化祭のバールを立派に仕切っても居る
椎は小さな見た目に夏空のような大きな中身を持っていた
そんな彼女が今後どのようにしてカブを手に入れて、自分の世界を広げていくのか興味を持ってしまうね