今回、多くの場面で描かれるのは怪獣を倒し尽くした世界の様子。情動によって生まれる怪獣が出現しないから、これまで戦いの日々に身を置いていた暦達も思い出したように日常へ戻ろうとしている
それは有るべき、正しい形への回帰なのだろうね
物語の始まりであるガウマ自身もあるべき形に囚われた人物だったのかも
将来を誓った姫が自分に会いたくて死んだと言うならガウマが姫を求めて現代を彷徨うのは当然だったのかもしれない。でも、姫に会えないならミイラから蘇った彼がいつまでも活動し続けるのはおかしく、ミイラに戻るべきなのかもしれない
だから不調の度合いを濃くしているのかな
暦は就活、夢芽は謝罪、ナイト達は去る…。怪獣優生思想も目立った格好の迷惑な人達に。その流れに倣うようにちせも中学へ行こうとするけど、それは未遂に終わる
怪獣であるゴルドバーンを友と出来て、学校に馴染むことも出来なかったちせにとっては正しい世の中の方が馴染めない世界なのだろうね
ちせが馴染めないように暦や夢芽も思う所があるようで
特に夢芽の様子は印象的。ようやく香乃の墓参りをして、蓬と親への不満を共有して。更にこれまでも蓬達と何度も楽しい思いをしてきた。それはとても普通の姿
でも、それらは怪獣が出現したから出来た事でも有る
そんな危うい夢芽を告白によって自分達の世界に引き寄せようとする蓬の行為は良かったね
怪獣は居なくなり、正しい形の世界へ向けて変化を重ねていく蓬達を切り裂くようにして正体を表したシズム
怪獣は自由であるべきと考える彼は街をどれだけ壊してしまうのか、そして蓬達は守りたいものをどれだけ守れるのか
いよいよ最終局面に突入したと感じられるラストだったね