松本博士を見捨てトァクを選んだヴィヴィが語るのは未来への最善の道。既に何が起きるか知っている彼女にアーカイブ対策の不安は無い
問題となってくるのは果たしてヴィヴィは人の為に歌えるのかという点。そこに物語の焦点が集められた最終話は美しいものだったね
マツモトとヴィヴィの会話。それは最終決戦前の確認であると共に100年の旅の集大成
マツモトは当初、ディーヴァの歌ではなく100年後に辿り着いた点のみを買っていた。だというのに今はヴィヴィの歌を聞けないと残念がっている
また、珍しい冗句や額を突き合わせての静かな別離など、それらの描写は彼女らが長い旅の間に手にした変化であり友情なのだと思えた
ステージを前にナビが突きつけて来るのはディーヴァとして有るべき姿と原初の約束。ヴィヴィはそれを忘れたわけではないけれど、今のヴィヴィの使命は小さいステージで歌えば良いものではなくなっていたから背を向けるしか無い
モモカがディーヴァに歌姫としての役割を明確にさせた。一方でヴィヴィと名付けた事が歌姫の役割から脱却させたのは今思えば皮肉な話
ヴィヴィが長い旅の果てに見出した「心を籠めるとは?」の答え。それは悲しい出来事ばかりが記録されたアーカイブへの反論となるのは良い展開だね
また、これまで伏せられていたヴィヴィが創造した楽曲を披露するには最高の展開
でも、同時にそれがAIの終わりでもあるのは寂しさを覚えてしまうね……
100年の旅にてヴィヴィが目指したのは人とAIの対立を防ぐこと
それは最終話にて花開くね。垣谷のように変わりたいと願うトァク、エリザベスと共闘する人間達、人間とAIは一緒に歩いていくべきだとユイに同意するヴィヴィ
その果てに表現されたのがEDの男性。正史ではヴィヴィを恐れ逃げた事で死を迎えた彼が、EDではAIを蹴りつける男を止めている
それこそがヴィヴィの旅の成果であるように思えた
そういった変化が結びついたのがエピローグなのだろうね
ヴィヴィはプログラムによって停止した。だからあれは別のヴィヴィなのかな?
それでもヴィヴィの復活と歌を望む聴衆が居るなら、そこにAIへの憎しみはきっと無い。AIを破壊する為に戦ったヴィヴィが純粋に皆を幸せにする為に歌う事が出来る
それはとても明確なハッピーエンドであるように受け取れたね