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とても良い

さらさが習った歌舞伎は先代を模倣し、昔の名優を現代に蘇らせる芸事
これが基本に在るさらさは紅華においてもその姿勢を保持したから、安藤からトップになれないと指摘されてしまった
現代も過去もさらさを呪い縛る「なれない」の言葉。言い換えればさらさ自身も変われていないとも取れる

名家一門としてのプレッシャー、実力差による劣等感、幸三郎に子が生まれたらという焦り。暁也が対峙していたのはそういった種類の重圧
暁也はそれに気付かない、もしくは気にしないフリをしている。全ては暁也の境遇に気付かず天真爛漫に稽古するさらさとの関係を変えないためだね

だからこそ、暁也の劣等感が最大になった瞬間の無邪気さを装った言葉により生じた諸々が残酷に映る
さらさが示した才能、そして暁也の言葉は周囲が変えないようにしていたものを容易に変えさせてしまった
この経験がさらさを縛り、変われなくさせてしまった

だというのにその不変の中心を成す歌舞伎が変化し続けていたというのは驚きの話
また、助六鑑賞を許した健だってあの頃から変わっているのだろうし、周囲を拒絶していた愛も今はさらさの友達になろうと奮闘している。何よりも俯きがちだった暁也はオドオドしない青年になった
変わらないと思われたものの全てが不変のままではないと判る

さらさの基本を成す歌舞伎や過去に関わったあれこれが不変でないなら、さらさも不変のままとは限らない
なら、次にさらさが目指すべきは紅華でトップを手に出来る自分だけの個性を手に入れる事
それが判ったなら今回の帰郷はさらさに良い影響を齎しそうだね



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