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良い

前半部ではトールが小林の腰痛に絡むこの世界の常識に悩み、後半部ではトールが自身の世界の常識に悩む
大きな壁にぶつかって孤独になった時に小林に出逢ったのかと思うと、今回はトールの長い旅が描かれた回だったと言えるのかもしれないね

トールは最初、腰痛の理由すら判らない。それを滝谷やエルマを通して少しずつ理解していく
腰痛はトールの肉やトールの世界の物を食べさせれば一発で治るかもしれないが、小林が何に苦労しているのかは判らなくなってしまう。相手と自分の常識が違う点を抑えておかなければ相手を押し潰してしまう

だから相手の常識を壊さず今の在り方を守ろうとするならば、相手の自由を尊重して少しずつ寄り添っていくのが最も良い
リラクゼーショングッズを求めていた小林の為に、自身の尻尾を提供したトールは小林の世界の常識と共存できたと言えるのかもしれないね

様々な常識がぶつかり合う後半は手始めに普段通う会社が異世界の空気へ
専務の部屋に居るのは魔法使いに終焉帝で彼らが語るのも異界の話というちぐはぐ。更に異界の存在であるトールの由来がこちらの世界の作家から取られているちぐはぐ
常識がぐちゃぐちゃになりそうだ……

自由を勝ち取ろうとした戦いがやがて勢力の枠を作ってしまったのだから面白い
自分が〇〇勢ならそれに相応しい振る舞いを求められる。けれど、それに従ってしまえば自身の常識を狭め自由を失う。
だから終焉帝はトールに枠に縛られない自由を教える為に自由に行動させたのだろうね

でも混沌勢の代表格、終焉帝の娘としての立場からは逃げられないし、他のドラゴンが教える話もそれぞれの常識を備えたもの。それらはトールが欲した自由を与えてはくれない
自由を求めて神と闘っても何も得られなかった。何も無い事は一種の自由と言えるのだろうけど、自分を満たすものもない

だからこそ、小林との出逢いはトールにとって最大の自由へ繋がる
メイドになれば相手に縛られてしまうかもしれない。けれど、そこにはトールが自らの意思でメイドを選んだ自由があった
自身を縛る常識を壊し、大切な人に寄り添える自由を手にしたトールの笑顔、頭を撫でて欲しいと欲する仕草はとても良いものだったね



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