予備校に通い始めた八虎。そこは美大を目指す者ばかりだから競争心を掻き立てられる。でも、競争における判断基準が一つだけではないから様々な苦しみに直面する
実力、感性、好きの方向性。八虎の苦戦が描かれていたね
デッサンを通して世田介と自身の間に大きな実力差を見てしまった八虎。そこにあったのは才能の差だけど、努力で超えられないとまで思わない。だから悔しいと歯噛みする
そう捉えるのは世田介と自身がある程度似通ったものを持っていると感じているからなのかな?
見た物を素直に描いてきた八虎にとって、自分の絵という方向性で八虎の先を橋田の絵は迷いを抱かせるものになっているね。また、美術館に飾られる絵の良さもすぐには判らない
ただ、橋田とは絵の方向性が異なるから彼への悔しさはそこまでではない。むしろ彼の言葉によって新境地が開かれるまであったね
八虎にとって一番悔しい競争相手と言えるのは龍二なのかもしれない
好きを契機に絵描きへ進む八虎にとって、周りを気にしていないかのように自分の好きを主張し続ける龍二の姿は苦手と感じてしまうもの
でも彼への理解が浅いから、好きが叶わなくても抱きしめられたなら良かっただろうと捉えてしまう
でも、龍二にとってそんな形の優しさは自分の好きを認めてないのと同じ。集まってくる女子も同じ
好きを訴え続けても受け入れられない龍二はつまり、傷つきながらも無理難題に挑戦し続ける者。それは一部で八虎と結びつく部分がある。だから龍二と話して自身のレベルの低さに気付いてしまう
幾つもの競争を通して実力を高めつつ、自分の絵や好きを定めようとしている八虎
そんな中でひたすらに他人の絵を参考に描くのは正しいと言えるのかな?一種の迷宮に迷い込んでしまったようだけど、すぐに意見を求めたのは良いね
才能の差を感じた世田介が告げる本質。これを八虎はどう自分の絵に落とし込むのかな?