連邦の理想、それは隅々まで行き渡るが為にこれまでシンエイ達に嫌な思いをさせる事が多かった。それが大決戦を前にして個々人が掲げる信念へと深堀りされ、最終的にシンエイ達を戦場へ力強く送り出す力へなっていく流れには痺れる
戦場へ送られる点は変わらなくても受け取る思いはとても大きいものになった
哀れな子供達をどう処遇するか。この問題に対し前回までは冷たさの方が目立っていた。けれどリヒャルトを始め、積極的に庇うわけではないがせめてもの義理は通そうという大人の対応が見えたね
特にグレーテの戦場へ送り出す事は反対しつつ、反対するが故に最後まで同行すると決める姿勢は尊敬する
でも、抗議が駄々と表現される大人ではないフレデリカは別か。フレデリカに対するシンエイの言葉は大人の論理。それ故に話が逆になっても筋道が立っているように思え、フレデリカの言葉が幼稚に見えてしまう
暗い部屋で紡がれるシンエイの言葉は、反転した明るい部屋でシンエイに突き刺さる構図は痛ましい
「何故じゃ!」と繰り返し問うフレデリカの言葉に論理はない。だからこそシンエイが過去にした後悔とフレデリカが今味わおうとする後悔が重なってしまう
そこにあるのは理想でも信念でもなくフレデリカの親愛。でも、そういった言葉を持ってしても戦場へ行くしか無いと決めつけ、死に惹かれるシンエイを止める事は出来ないのか……
帰路が考慮されない決死の作戦。あれだけ86を嫌っていた筈の他の兵士達がスピアヘッドを送り出すために命をかけた
また、大統領として激励の言葉を送ったエルンストも最後には親として「帰っておいで」と言った。
これらがせめて子供達にとって少しでも帰る理由になれば良いのだけれども