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とても良い

友達皆無のひとりに課せられた難題。学校の人に声は掛けられず、家族に頼るのも拒みバンド仲間にも助けを求められない
友達の居ないひとりは味方を見つけられない。だからバンド畑且つ赤の他人である廣井だけがひとりを直接助けられるわけだ
一方、ヤバい廣井を前にするとひとりのヤバさが軽減されるのは面白い(笑)

ダメ人間な廣井が先輩バンドマンとしてひとりに授けた「一日で諦めるの勿体ないよ」、廣井はバンドを続けてきた人間で今のひとりのようにチケット売りに苦労した過去も有る
いわば廣井は諦めなかった人間、そしてひとりが妄想した飲兵衛の未来は諦めた人間
独りで諦めない道を進むのは難しい。だから味方の助けが求められる

味方となるのは廣井だけじゃないとひとりが知る演奏シーンは良かったね
自分に味方はいないと影に籠もれば光ある場所に居る者を敵にしかねない。自分の音を誰が聴いているのか。それに気付いた瞬間、ひとりが立つ場所が影でなくなり観客との境界線が消え、背を丸めていたひとりが変わる流れは良いね

観客が敵でないと知り、表情を見られれば想像できるのはバンドの未来。それは仮想風景だから現実に見たいと思えるのだろうね
自ら差し出したチケット、それは招待状であり再び自分の音を聴いて欲しいという懇願と言えるのかな
今は遠くで光る花火、ひとりを近くで照らす日は遠くないのかもと思えたね

ひとりが頼れないと返信できなかった結束バンドも直接にはひとりを助けられなくても味方であると判るシーンが有るのは良いね
学校でのひとりを心配してくれるし、ひとりの魅力も理解している
……それでもひとりの完売報告を「絶対ウソ吐いてる」と判断してしまったのはひとりへの信頼に依るものかなぁ(笑)



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