前々回にてエリアスがチセに求めたのが恋愛や家族的な意味での「嫁」ではなく、一緒に居る理由付けである点が示されたからか今回は言葉の意味に迫る描写がチラホラと
「嫁」だから一緒に居るのか、一緒に居るから「嫁」なのか。究極的にはどちらでも良い謎掛け。それでも相手との関係性に名前があるのは意外と嬉しいものなんだろうね
素直に「友達」と言えないチセとアリスにサイモンが煙に巻くような言葉を通じて友達と言わせるのは良いね。年長者の貫禄を感じさせる
傍から見れば特定の言葉でしか表現できない関係性でも当事者が明言するのは難しかったり、気後れしてしまう場合がある
だから別の視点を持つ者が言及するのが大事だったりするわけだ
ただ、それが宜しくない関係もあって、それがアリスとレンフレッドの場合かな
「魔術師と護り手」か「養父と娘」か。どちらの言葉であってもアリスには不満足。またレンフレッドはアリスを「娘」という言葉で縛る事で何かを制限しているような…
二人は言葉がある事で逆に息苦しさを感じているように思えてしまうよ。だからこそアリスの負けん気に感銘を受けるのだけど
逆にチセとエリアスは言葉で始まった関係なだけに、その時の言葉は正しかったのか、今の関係を表す言葉は有るのかという点を丁寧に考えているね
相手を縛る為に使った「嫁」という言葉、正確な意味で使ったわけではないから嘘のように思えて、言葉に釣られて関係まで嘘ではないかと不安になってしまう
だから言葉以上の感情が必要になったのだろうね
以前の言葉は言葉として残しつつも、一緒に居られる感情に従って言葉を新しく定義する
不器用で人として未成熟な二人だからこそ、そうやって段階を踏んで自分達が一緒に居る今を肯定する
チセとエリアスの触れ合いはじれったいからこそ、見ている者を温かい気持ちにさせてくれるよ