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とても良い

挑むに当たり欠けていたのは何だったのか、挑んだ末に欠けたものは何だったのか
長い旅の目的であるゼニスを前に表出したのはパウロとルディの違い。それはどちらも何かが欠けている為に生じる差異
けれど、あの激闘を最後まで見た時、パウロは欠けてはいけないものは全く欠けていなかったのだと思い知らされたよ……

生死不明のゼニスを目撃してからのパウロとルディの心情は真反対
パウロはみっともなく取り乱しているが、ルディは逆に落ち着きすぎている。パウロは冷静さが欠けていて、ルディは親愛が欠けている
でも人は一つの要素だけで語れるものじゃなく。パウロは情の厚さに満ちている。だから落ち着けば仲間への感謝や親としての覚悟を示せる

パウロが言った「死んでも母さんを助けろ」は確かに親の台詞ではない。けれど、戦いの終盤を見れば全く逆の覚悟も持っていた事が判る
パウロは死のリスクを負っても息子を助けた、そして助かった息子を見て笑みを浮かべた
駄目な父親だと嘆く彼は確かに色々欠けていたかもしれないが、親として持つべきものを全て満ちていたのだと判る…

似た事はリーリャにも言えるのかな
彼女は冒険に着いていく事は出来ないしアイシャ妊娠の経緯も倫理的に宜しく無い部分はあった。けれど、アイシャを守り育てたし、パウロの死を知った直後に嘆くよりルディを抱きしめる事を選んだ。彼女も親として満ちているのだと判る
なら、息子として様々が欠けているルディは親としての全てが欠けてしまったゼニスをどう親に戻してやるのだろうね…



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